Daso Sufi

I-amness

エニアグラムの歴史

私を知る旅の語り部

Daso Sufiです。

 

 

                                        

エニアグラムの歴史
                                        

子どもの頃から、ありとあらゆる幾何学模様に特別な関心を持っていた私は、このシンボルを意識したのも結構若い頃でした。良くわからないけど何だか気になるってやつです。でも未熟さゆえに手にできなかった、そういう代物だったのかも。

押し入れの隅っこにずっとおきっぱにしていたものをやっと取り出してきて、まとめてみようという気になった。

 

まずはその歴史から。

 

 

エニアグラムの9つのポイントを持つシンボルは、世紀の変わり目に、アルメニア神秘主義者であるG.I.グルジェフの教えによって近代西洋に初めて登場しました。グルジェフは、少なくとも2,000年以上前の精神的な伝統を持つ中東のミステリースクール”サルムーンブラザーフッド”に入門して、そこで学んだと言われています。

近年普及しているパーソナリティ・フィクセーション(人格の固着)のエニアグラムは、ほとんどがチリの精神科医・教師であるクラウディオ・ナランホ*1が、南米のスピリチュアル・ティーチャーであるオスカー・イチャーゾから学んだものです。

 

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ナランホ(画像はネット検索で引っ張ってきましたが、良い感じの方ですね)はグループを形成し、ドン・リソ、ヘレン・パーマーなどエニアグラムをより深くして行くことに興味を持っていた人びとと研究を続けました。そのグループに中東、クエートから来た二人の人物、A.H.アルマースと私の先生の先生であるファイサル・マクァダムもいました。

アルマースとフェイザルの二人は、より深い理解をここに持ち込み、彼らの洞察をスピリチュアルな探求とつなげました。それは”聖なるアイデアエニアグラム”と呼ばれます。9つのポイントは私たちのより深いビーイングを理解することにつながっているのです。

エニアグラムの二つのカテゴリー


ナランホによると、エニアグラムの図がさまざまな次元における現実の客観的な地図を体現しているという考えは、先述した古代学派”サルムーン教団”からのものです。エニアグラムの地図を使えば、経験のあらゆる次元を詳細に理解することができると言います。

エニアグラムの2つのカテゴリーと言ったとき、それは内側の経験に関係していて、「固着と情熱のエニアグラム」のようなエゴの経験(基本的に精神的な無知を反映している)に関連するものと、もう一つの本質的な経験(精神的な悟りを反映している)に関連する「美徳と聖なるイデアエニアグラム」があります。ここで大切なことは、それぞれのエニアグラムには内的なつながりがあるだけでなく、さまざまなエニアグラムの間には非常に具体的な関係があるという点です。

私は「固着のエニアグラム」や「自我のタイプ」を取り上げた本を複数読みました。基本的に心理学的なものとして紹介した本なので、それらはもちろん心理的な機能を特定したり、そこから理解するには役に立ちます。ただ、もう一方の「本質的な経験」に関心があるので、A.H.アルマースの著書は非常に面白かったです。

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アルマースは「エニアグラムのより高度な利用法についての私たちの見解は、イチャーゾとナランホの見解に沿ったものです。」と明記した上で、ナランホの以下の見解を紹介しています。

彼は、その著書『エネアタイプの構造』(Naranjo, 1990)の中で、エニアグラムを、精神的な実現という大きなワークの一環として、自己観察と研究を行うための手段として紹介している。9つの自我タイプ(ナランホはこれを「エネアタイプ」と呼んでいる)の性格的特徴が、人間の本質であるBeingとの接触を失ったことの表れであることを詳しく説明し、つまり、この知識の真の価値は、この接触を取り戻す手助けをすることであることを示している。例えば、各エナタイプの感情の根底にある「情熱」についてナランホは、「情熱は、実在に関する曖昧さという背景から生じており、自分が自分であるという感覚の喪失が、自我の9つの感情という分化した形で現れる存在への渇望を支えている」と述べている。 ーーA. H. Almaas, Facets of Unity, pg. 4, Daso Saito訳

ナランホの研究は、それぞれの性格タイプがBeingとの接触の喪失とどのように関係しているかを説明した初めての出版物だそうですが、英文の「Ennea-Type Structures」は1990年に第2版が出ているということは相当古い本ですよね? 

ヘレン・パーマーがタイプを直観のモードに結びつけた研究を、ドン・リソとラス・ハドソンがタイプの心理的構造を識別した研究を、それぞれ発展させています。

私自身の理解と探求

心理学で言うエニアグラムの人格構造は、本質とのつながりを失ったことによる自我の歪みであって、そこだけにとどまっていても精神の成長はない、というのが一つ目の理解。

サルムーン教団からグルジェフに伝承された、客観性の視点を持つエニアグラムこそ、このシンボルを探究する正しい方向性であるというのが二つ目。

そして、”エニアグラムは動きとして捉えるべきである”というグルジェフの教えは、グルジェフ・ムーブメンツという神聖舞踏の実践を通して、(まだまだ理解の最初の一歩くらいだけれども)「確かに!」という実感がある。

そこに加えて、インクワイアリーという探求ツールをマスターしてきた私の精神性の旅は、間違いなく正しい道の途上にあると確信しているのです。

 

 

*1:クラウジオ・ナランホ(チリの精神分析医)1931年~2019年。エニアグラムを人格構造として深めた。1960年代は、サイコセラピー、精神分析が大きな変化を遂げはじめた頃で、人間の成長に焦点を合わせて行った、象徴的な時代。特にカリフォルニアのバークレーには自己探求と自己実現の大きなムーブメントがあった。バークレーに独自のスクールを開いていたナランホはそこでエニアグラムを広めた。